上場中止の議論

3/11にAnyMind Groupの上場中止が発表され、今年6社めの中止となりました。
ご存じの通りロシアのウクライナ侵攻に伴うマーケット環境の先行き不透明さによる機関投資家の慎重な投資判断の影響を受けての結果と思われます。

実は自分が監査法人勤務時代にも同じような経験をしております。
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロが起きた時です。
丁度、自分が担当していた会社はロードショーの真っ最中であり、テロ発生後すぐにミーティングのアポイントは中止となりIPOは延期となりました。

さて今回お話ししたいのは上場承認後、どのタイミングで上場中止が発表されたかについてです。

一般的な東証による上場承認から上場に至るまでの流れは以下の通りです。

①東証による上場承認
②ロードショー
③仮条件の決定
④投資家による抽選申込(ブックビルディング)期間
⑤公開価格決定
⑥購入申し込み期間
⑦払込日
⑧市場における売買開始(上場日)

今回の6件の上場中止のうち、5件が③の仮条件決定の同日に発表されています。
このことはロードショーで機関投資家にプレゼンしたものの、ウクライナ侵攻の影響でロードショー後に行われるアンケートにおいて購入の意思表示が価格や株数の点で希望する水準に至らず、仮条件決定に至らなかったと想定されます。

またRepertoire Genesisだけは⑤の公開価格決定のタイミングで上場中止を発表しています。この場合は仮条件決定までは進んだものの実際のブックビルで公募売出株数を上回る投資家の需要が積みあがらず結果として上場中止に至ったものと思われます。

いずれのケースも中止理由としては起きてほしくはないですが特殊ではなく、マーケット環境による中止であり、ウクライナ情勢が沈静化すれば程なく再チャレンジしてくるものと思われます。

その一方で⑤の公開価格決定後に突然上場中止が発表されることが、たまに起こります。
この場合は、東証への投書などもっぱら上場予定会社固有の理由によって中止になる場合がほとんどです。

ひとくちに上場中止といってもそのタイミングによって予想される理由が異なってくることを、これから上場を目指す経営者や幹部の方々も是非理解いただき、IPOプロセスにおけるサプライズを極力回避いただく準備を進めていただければと思います。

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